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大切さと比例して壊したくなる。
俺の手で壊しておけば誰にも奪われないで済む。
なぜだ?
この気持ちは一体?
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「!!!!!」
ベッドから飛び上がるホムラが声にならない悲鳴をあげながら涙を流した。
(嫌な夢……)そう思いながら手の甲で涙を拭ってまたベッドに倒れこむ。
真っ白な天井をジーっと眺めているとさっきの夢が鮮明に見えてしまう。
鮮血。内臓。微笑み。含みのある口調。血の匂い・生暖かい感触。
何かを呟いている・
誰かの声がする・
視界が滲み、まただ。
もう何度目だ?
大切な誰かを、この手で……
(いや、そんなのありえないんだ。)
自分にそう言い聞かせ、おもむろに携帯を取り出した。
SNSを開くと彼女の親友がちょうど五分前に投稿していた。
顔よりでかいソフトアイの塔が斜めになっていて落っこちそうになってる。
彼女はかなり慌てているように見える。
親友ちゃんはいたずらっぽく笑っている様子。
正直親友ちゃんとかソフトアイスとかどうでもいいんだ。
彼女は生きている。
今。この瞬間。
(それでいいんだ。)
そっと目をとじ、明るい窓を背にし、また深い眠りに落ちる。
文章来源:{laiyuan}
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THE END
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